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ぼくは、「漆」について 勉強しだしてから まだ5年目くらいです。それも、まー、怠惰にやっております。
ぼくは、子どものころから勉強とか訓練とか練習や稽古は嫌いなので、いつも、なんらか「本番」めいたことを続けています。本番っていうか『遊び』です。幼児の「落書き」の延長線上に「今」「此処」があります。

 

ぼくは、あまりよい筆を持っておりません。
それでも、なんか、「いい感じ」の線や図案を描きたいという気持はあるので…、とにかく、身の回りの「物に描きます」。これは、工程で残った漆を無駄にしないためでもあるけども。漆期間中は、特に漆しかできないような仕事場環境になることが多いし。まぁ、暇だから、遊ぶ…。
道具の不備不足を「腕で成す」(笑)。って書くと とても恥ずかし~。ぜんぜん ダメです。

 

漆は、素材に逆らうとぜんぜんダメ。
漆の粘り気とか性格に こちらが寄り添うように筆を運んでゆく。つもり。
固化の時間も 焦ると失敗する。「漆時間」に併走しなければ よい作品が生まれない。現行社会の時間のスピードと ぜんぜん違う時間軸に 居なければならないです。
RIMG0479一面が埋まると、漆を塗って重ねて、さらに画面を新たにして、模様を描いてゆきます。蒔絵が重なってゆきます。
そういうことを繰り返してゆくことによって、時間経緯を内在した 止まらない「作品」が立ち上がってきます。
この「作品」は 3年以上 費やしてます。
「創ろう」と想って この作品を創るとすると すごく大変です。日々の少しずつ少しずつの「遊び」楽しみ おかしみの 積み重ねであるからこそ 出来上がった作品です。同じものは 再現不可能です。
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これは、もう一方の面です。

 

この作品は、とても気に入ってもらえて、即決で買っていただけました。(5万円)。ぼくの作品は、たいてい、買ってくれる人が価格を提示するので。
ケース本体そのものは安価なものです。イメージの具現の「経緯の積み重ね」こそが 作品の真価であります。「作品」というものは、材料や道具では無いです「創作が作品」です。当たり前ですが。