2015-05-17 00.22.26


この作品が、形と大きさと重さと焼成色味、質感。
そして「手中のおさまりぐあい」そして「口あたり」。すべてが、だいたい いい感じ。
しか~~し、「割れてる」(笑)。

なぜ「割れたか?」っていうのも、

K島さんから茶器の依頼を請けたのは、2009年くらい。そして、いろいろ、「K島さん」という人物の日々を妄想/空想しながら「K島さんの お茶時間」っていうのを イメージしていました。
そして、2010年から試作。この作品は、2011年の3月に焼成完成するはずでした。しかし震災。ぼくの工房内部は、ぐちゃぐちゃに成りました。「衣類と書類と作品の破片」が混合みたいな感じ(笑)。そもそも、作品棚とかをしっかり作ってなかったです。
そこを、塑像乾燥段階で生き残ったのが、本作です。
だから、ぼくは、この作品が、かなり好きです。
なんとしても「金繕い」で蘇生したいです。たぶん修復だけで半年以上はかかる(笑)

ぼくは、2011年は、ほとんど仕事ができなかったです。
工房内部の修復も、2012年までかかりました。とにかく、内部がぐちゃぐちゃすぎて(普段から ムチャクチャなので)。我ながら、自身の日々の怠惰の集積に呆れつつ、作品崩壊が悲しくて、「作品室」を数ヶ月のあいだ観たく無かったです。作品たちが、粉々に成って埋まってるのを 観たく無かった。まー、疲れた。心身疲れました。ぼくの工房は、台所や風呂場を省いて、残りの5部屋がすべて仕事場ですが、そのうち三部屋が崩壊状態でした。

で、
なんで 割れたか?
というと、
完全乾燥のところに ぼくが白化粧したからです。初歩的なミスです。ふつー、有り得ない(笑)。
三年以上乾燥した作品に 磁器土をかけるなんて…、ありえないです。
もとから コヒキっていう感じに仕上げるという「想い」が あったから。つい、やってしまいました。
数年のブランクで「基本/基礎」を 忘れてしまう。そもそも 物覚えが悪い。やっぱり、陶芸家には、成れないです。

しかしながら、
この作品を、金繕いで 蘇生したら、
善い作品に生まれると想います。ほんとうに そのようにおもいます。
いまから、ワクワクします。
かなり「カッコイイ割れ」だとおもいます。