2015-02-10 21.20.30

おもわぬかたからおしえをうけることができました。

東田直樹さん
ほんものの芸術家

東田さんの云うことを聴いて 創作に向かおう
もしも願えるならば こういうひとに 美大におしえにきてほしいとおもいます

「自閉症の僕が跳びはねる理由」東田直樹著
58項目の設問に 東田氏が答えるという形の編集
本文から 以下 108頁からの抜粋です 44番目の設問

「44 走る競争をするのが嫌いなのですか?」

嫌いではないのですが、意識すると速く走れなくなってしまうのです。
みんなで一緒に楽しく走るのなら、風と仲良くなることができ、僕はいくらでも走れます。
逃げ足が速いと言われるのも、追いかけられると相手と自分との間隔が縮まるのが、おかしかったり怖かったりするので、つい逃げ続けてしまうのです。
意識すると走れなくなるのは、緊張するからではありません。
速く走ることを意識すると、手や足をどう動かせば速く走れるのかということを考えてしまいます。考え始めたとたん、体の動きが止まってしまうのです。
速く走れないもうひとつの理由は、人に勝つことの喜びがよく分からないことです。
みんながそれぞれ自分の力を出し切ることは、とてもすばらしいと思います。
それで順位が決まることは理解できますが、それと人に勝つということは、別のうような気がするのです。だから、運動会などでは楽しい気持ちの方が先になり、僕はいつも、るんるん野原をスキップするように走ってしまうのです。

以上が、抜粋です。

競争ではない生き方。
そうだ、(野原を)「スキップするように」と思いました。ずいぶん気持ちが楽になった気がしました。
競争についての疑問に簡潔明快に回答してくれています。勝ちでも無い 敗北でもない そのうえ すがすがしい たのしい。

本書には、光を気持ち良く目の中に取り込む方法も書かれている。
東田さんは「命の色が緑」と云う。
草木の緑が好きな東田さんは、きっと森のひとだ。

この本は、東田さんが中学生のときの著作。
東田さんの書いたものは ぜんぶ読みたい。絵本も。

それらは ぜんぶ ぼくの教科書 たぶん


観察と創作(表現)にタイムラグ(距離)がほとんど無いように感じた。ぼくには ぜったいに書けないし 描けない。感激した。
難しいことばをひとつも使わずに 大切なことを シンプルにさわやかに そして温かく優しく

なによりも確かなことは、この本に描かれてあることは、すべて、この世界の「ほんとうのこと」ということ。そのように 感じました。
かつては、たぶん みんな そうだった。「生きる」ために 失ってはならない 忘れてはならないことが 描かれてあるようなきがする。

鬱屈に圧迫されたぼくの視界がひらけてゆく 感性は解放されていたいのだとおもいます
目は触手の先端 脳が外気に触れているところ

◆補足◆
東田さんのことは、以前テレビ番組で知りました。
そのときは、あまりの感動と衝撃で 泣けた。それは ある意味のショック症状でした。
テレビ番組の 強力な説得力に圧倒されました。もちろん よい 番組でした。番組の内容がどうとかではなくて、「人間とテレビ番組(テレビというメディア)」の対峙関係ということ。情報の意味に「自己」自身(本体)が追いつけない。

こうやって、ゆっくり 本で 出会ってゆく時間が ぼくにはとてもいいです。
たぶん、目で言葉を追うことが ぼくに触覚を(ルアルを)「考えさせて」くれるのだと おもいます。
そこで、ようやく ぼくは「理解」を得るのだと おもいます 少し

文頭に
「もしも願えるならば こういうひとに 美大におしえにきてほしいとおもいます」と ぼくは 書いてしまったのだけれども
ぃや ちがう 「美大は 要らないかもしれない」と いうことなのかもしれない とか ちょっとおもいました