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みぎが自称「彫刻家」 ひだりが「その母親」
58年 と 90年
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ははのては なにをしてきたのだろう
かわいいて
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母親の手にぶらさがったことがあるな
ずいぶんむかし って たった50ねんくらいまえのこと
今は 母親と手を繋いでスーパーの駐車場を歩いてる
母親の速度で
どっちも うれしい
どっちも たのしー
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いま、母親の右手は肩より上には上がらない
重いものは持てない
指は 十年以上前から 曲がったまま 字がうまく書けなくなった
木彫のような手だな っていうか枯木のようだ
それとも流木のよう いいかたちだ
もうすこし もうしばらく いっしょにいよう
いっしょにいようよなー
なー なー なー
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