気持ちが凹むとき 耳元でささやくなにか
絶望には妖精が寄り添っている

かつて此処は たしかに森だった
木々は倒され 狼たちは滅んだ だけれども森の精たちは 生きてきた

木々の実りのように 狼の威嚇のように アーティストたちは唄う

目を閉じると 卑屈の彼方に 森が広がっている
イメージへの飛行が開始される

飛ぶ鳥は 考えない
考えたとたんに 羽は停止して墜落してしまう
飛び方など 考えずに 知っている

滑空の垣間みた
翼のエッジに記憶する

翼があるから 飛行するのではない
空があるから 鳥がいる

アーティストたちには
空が見えなければならない
森が観えていなければならない

2015-02-17 20.26.58

焚き火を見つめるとき
石の結晶をながめているとき
泥酔しているとき

妖精たちは はたはたと 寄ってくる

ついでに 狼も描いた

なにを書いても
なにを描いても
ぼくは なにもかも 陳腐

なんで自分は こうも卑屈なのか?
ああ、そうだった 卑屈を探求しているのだった と 我に返る

2015-02-17 20.22.10